春の養蚕がいよいよ始まります

今年も春の養蚕が5月末から始まります。5月29日に3齢になる前のお蚕さんを連れてきて、養蚕スタートです。昨年は5月中旬に霜や雹があり桑の心配が尽きませんでしたが今年はどうなることか?お蚕さんは天の虫と書いて「蚕」の文字通り天候に左右され、その時々の天候や害病など人間の思い通りにいかない為「運の虫」とも呼ばれていました。大石の小正月の祭りでも「だんごばら」と呼ばれる「繭玉だんご」を作り良い繭が取れるように願い、どんどん焼きでその「だんご」を焼いて食べると風邪を引かないと言われています。また祭りで大石を練り歩くときに昔は養蚕をしている家へは「おかいこさんは大当たり 開きの方から 福が舞いこめ舞いこめ~」と歌い養蚕の繁栄を願ったそうです。ちなみに新婚の家には 「おかたや繁盛、大繁盛 開きの方から 福を舞いこめ舞いこめ~」と歌ったとのこと。現在のお練りでは養蚕農家がいないことも関係しているとは思いますが上記の歌は聞かれなくなり「ごいわいもうそう(お祝い申し上げますの意)」と歌い練り歩きます。大石の歴史を知ることでお祭りや風習の随所に養蚕をする人々の想いを感じ取ることができます。養蚕が盛んな頃はお蚕さんが人々の生活に密着していたのですね。
今の大石の養蚕は、小規模の養蚕を担当者が行う形式にとどまっています。今回地域おこし協力隊制度を使って養蚕を継続していますが、形式は同じで養蚕担当の私と地域の有志の方々の協力のもと行っています。ただこれでは大石の養蚕の将来を考えると不安要素が多々あります。担当者一人の力では微力で養蚕の大変さに力尽きてしまいます。大石紬のことを想うと大石の養蚕を無くすわけにはいかないですし、やはり一番いいのは地域に開かれた大石の養蚕を目指し地域の多数の力で伝統文化を支えることではないでしょうか。「地域と伝統文化共有」と「養蚕体験型」が大石の養蚕の再生の鍵だと考えています。

「みんなで考える おかいこ会議(仮題)」

ということで、「みんなで考える おかいこ会議(仮題)」を夏の養蚕体験前の7月に行いたいと思います!詳細は来月号でお知らせ致します。乞うご期待~
春の養蚕にご興味ある方お気軽にご連絡ください!!春の養蚕の活動は地域おこし協力隊フェイスブックで随時お知らせします~

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