主旨

1. 御坂山塊、東海自然歩道の魅力発信。
2. 御坂山塊、東海自然歩道のルート整備及び案内板の整備。

目的

1. 当町にある自然資産を住民に知ってもらい、歩いてもらい、魅力を実感してもらう。
2. 行政だけでなく、住民自ら当町の魅力発信ができる仕組みを構築する。

手段

1. 御坂山塊の登山ルート、青木ヶ原樹海を通る東海自然歩道のルートを整備し、安全にトレッキングができるようにする。
2. 朽ち果てた案内板、老朽化した案内板を、新しいものに置き換える。若しくは補修し遭難リスクを軽減させる。
3. 案内板は、できる限り同じスタイルの統一した案内板(QRコードを表示し、情報発信が可能なもの)を設置する。
4. 御坂山塊の愛称を「富士五湖アルプス」とし、富士山、湖に次ぐ観光資源としてその魅力をアピールする。
5. 小中学校の地域活動の一環として、実際にこれらルートを歩くカリキュラムを作成し、子供のうちから当町の魅力に触れる機会を作る。
6. 住民に対して四季を通じてルートを歩く、トレッキングを企画する。

要望の背景

1. 当町にある自然資産は、富士山、湖だけではなく、御坂山塊、青木ヶ原樹海がある。
2. 両自然資産は決してマイナーではなく、寧ろ誇ることのできる内容であり、その価値は十分に観光資産として、人を呼び寄せることができる規模と可能性を秘めている。
3. 当町住民は、両自然資産について知っているが、実際に歩いたこと   
のある者は少ない。風景として見慣れてしまい感動も関心も薄れている。
4. 故にこれら自然資産についての理解(認知)が低く、他者(観光客)に対してアピールができない。逆に当町に移住した人、観光で訪れる人は、その自然の価値を理解し、魅力に感じる人は多い。
5. 観光客誘致として紅葉マーチなどの企画はあるが、住民を対象にした御坂山塊や、青木ヶ原樹海内を通る東海自然歩道についての継続的なトレッキングの企画は少ない。
6. 何より観光推進面でも富士山、湖が中心であり、御坂山塊や、東海自然歩道のトレッキングを組入れた観光推進は劣後する。
7. ここ数年キャンプや登山をする人が増加している。特に昨年はコロナの影響により顕著となった。身近なところでは、高尾山、大菩薩嶺などの登山者は多い。
8. 共通点は首都圏から比較的近く身近に登れること、そして富士山を見渡すことのできる絶景が魅力の一つとして考えられる。
9. 富士五湖アルプスの愛称については、御坂アルプスも検討したが当町住民だけでなく、全国にもアピールができ、聞いた時のインパクト、場所が容易に想像できる知名度等を考慮した。

コロナウイルスの影響

1. 観光産業を支えていた海外観光者(インバウンド)壊滅的に途絶えた。
2. 富士山の入山規制や、移動の制限、自粛により国内観光客も同様に激減した。
3. 住民も家の中にいる時間が多くなり、体を動かす機会が少なくなっている。
4. コロナウイルスの影響は数年続くと考えられる。
5. 住民に対する持続可能な健康増進策として、何か楽しみながら気軽に取組める企画が求められる。
6. また観光面でも、富士山、湖以外で持続可能な人を呼び寄せることのできる企画が必要となる(野口健氏の新聞記事)。

他市町村の取組について

1. 富士吉田市では、広報で「ふじよしだの魅力再発見」を掲載し、市民に対して市内の魅力を知ってもらう企画を展開している。
2. 併せて、この企画はYouTubeで動画発信を市内外に行うことで、市の価値(魅力)を巧みにアピールしている。
3. 同様に各市町村もSNS等を使い、我が町の魅力発信に力を入れている。
4. 魅力発信の対象はさまざまであるが、自然資産をアピールするものが多い。
5. 特に最近では、地元の山を「〇〇アルプス」と愛称を付けて登山者の誘致している地公体がある(ブランディング戦略)。
都留市:都留アルプス  甲州市:甲州アルプス(大菩薩嶺)
鎌倉市:鎌倉アルプス  沼津市:沼津アルプス  
6. 御坂山塊の北面は笛吹市であることから、笛吹市が先に「御坂アルプス」と日本トレッキング協会に認定申請をする可能性もある(新道峠にテラス設置)。

見込まれる効果

1. 住民に町の自然資産を理解してもらうことは、結果的に町に対する愛着度が向上することになり、またその素晴らしさを全国、国外にアピールする機会を増やすことができる。
2. 継続的に歩くことで、住民の健康増進に繋げられる。
3. 昔は小学校の遠足で三つ峠登山を行った。小学校生には少し厳しい登山ではあるが、仲間と登ることで、その達成感は大人になってからも大切な思い出として記憶される。
4. その大切な思い出は、子供たちが将来大人になった時にあらゆる場面で「ふるさと」の魅力発信する動機付けになる。
5. 観光面においては、登山前後に当町のホテル、旅館等宿泊施設への宿泊機会が増え、現在行っている富士河口湖温泉郷の振興策とセットで相乗効果が見込まれる。
6. 住民がルートを継続的に歩くことにより、ルートの保全が可能となる。また案内板等荒れた箇所については早期に発見、修復ができる。
7. ルート上にポイ捨てされたゴミなどを回収して歩くことで、環境美化に繋がる。

効果を更にアップさせるための工夫

① 新成人全員を「ふるさと観光アンバサダー(観光大使)」に任命し、成人式の際に観光大使の名刺を配布する。
② 名刺裏面にQRコードを印字し、QRコードの読み取りにより、町の魅力発信につながる画面に展開できるようにする。
③ 展開する情報のなかに、富士五湖アルプス、東海自然歩道のトレッキングの動画をYouTubeで配信できるようする。
④ 観光大使の紹介による宿泊の場合、宿泊料の割引等の特典をつける(宿泊時に観光大使の名刺を提示により確認する)。
⑤ 町職員(関係者)の名刺も同様とする。

登山ルートの実情

1. 御坂山塊、足和田山、東海自然歩道に設置されている案内板はほとんどすべてが老朽化しており、表示が消えてしまっているものも多数ある。また案内すべきところに設置がなく迷いやすい箇所もある。
2. 登山地図やYAMAP等の登山案内アプリを利用し登山する人は、道に迷うことは少ないと思われるが、案内板を頼りに歩く人もまだ多く、これらの人はルートに迷うリスクが高い。
3. ルート上の急な斜面に施工されている丸太の階段が崩れている個所が多い。メンテナンスが行われていないため危険な状況になっているところがある。
4. 富士急バスによる登山道アクセスは比較的良好である(現在はコロナウイルスの影響で運行が間引かれている)。

課題

1. 登山者の増加による、登山ルートを迷い遭難するケースや、ケガ等で救助を求めるケースが増加している。案内板の整備、ルートの整備は喫緊の課題である。
2. 案内板の整備費用等については相当の費用が見込まれる。クラウドファンディングの活用の検討。特にクラウドファンディングによるテスト・マーケイングを行うことで市場ニーズが確認できる。
3. 返礼品としてルートガイド、町内宿泊施設の割引、飲食クーポン券など工夫する(富士吉田市の事例を参考にする)。
4. 登山ルート、東海自然歩道のルート上にトイレの設置を検討。
5. 愛称を「富士五湖アルプス」とした場合、山中湖も範囲に含まれることになる。そのため広域行政としての取組が必要になる(この場合河口湖から本栖湖(竜ヶ岳)までを「富士五湖アルプス:ウエスト」、山中湖(大平山、平尾山、石割山)を「富士五湖アルプス:イースト」とする)。

参考(静岡県:東海自然歩道)

1. 東海自然歩道のルートにおいて、静岡県側の東海自然歩道のルート上の案内板は新しく統一デザインで整備されている。
2. 看板にQRコードを掲示することで、更なる情報を展開する案内板となっている。
3. トイレが新しく清潔である(山ガールにはうれしい施設)。

現況確認写真

看板、案内板の実態(三ッ峠)

トイレ

・三ッ峠ほぼ頂上付近のトイレでありがたい。
・四季楽園、三ッ峠山荘の方が清掃されていると思われる。
・但し老朽化しており全体的に清潔感がない。補修が必要。
・山ガールを呼び込むにはルート上の(清潔感のある)トイレは検討すべき課題である。(清掃、メンテナンス、汚物の処理方法)

静岡県側の看板、案内板、トイレ

荒れている登山道(山梨県)

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